リン酸処理ってなに?効果的な利用目的とは


リン酸処理による腐食防止効果

リン酸処理とは、鋼素材の表面処理に用いる1つの方法です。この処理を行うと、素材の表面に不溶性のリン酸塩皮膜を作ることができます。これにより、素材の腐食を防いだり、腐食の進行を抑えたりすることができるのです。つまり、リン酸処理は、風雨にさらされたり、外的な環境の変化が比較的激しかったりする所などで利用される鋼素材などを、できるだけ長持ちさせることを主な目的としています。そのため、建物の外に設置されている手すりや、屋外に設置されている、錆びやすい鉄素材でできているものなどには、リン酸処理が施され、その上から塗装されていることも多いのです。

リン酸処理による美観効果

リン酸処理は、鋼素材などの腐食を抑え、表面を保護するだけではなく、素材の美観を高めるためにも利用されることがあります。例えば、建物内のアクセントやアイキャッチとしての役割を持つ大壁などにもリン酸処理は用いられることがあります。リン酸処理後に、最終的な塗装や表面加工を施すことで、壁やパネルの重厚感や高級感を高めることが可能です。さらに、壁などに用いられる素材の質感を、できるだけ損ねずに利用したい場合には、リン酸処理は、素材の自然な質感を活かした加工ができるため、そうした要望にも適した加工だと言えます。

また、リン酸処理を施した壁などは、周囲にある様々な要素と調和しやすい特徴もあります。これは、リン酸処理を施した素材の風合いが、時が経つにつれて徐々に落ち着いていくためです。このように、リン酸処理は、素材を保護する目的とともに、建物などの美観を高めるためにも効果的な手段だと言えます。

金属製品にリン酸処理を行うのは表面に皮膜を作り、サビの発生を防ぐためです。リン酸との反応によって生じた皮膜は空気を遮断し、金属製品の微小な傷に酸素が触れてサビが生じるのを防ぐ効果があります。